現価係数とは
現価係数とは、複利運用しながら目標額にするためには現在いくら必要かを求める計算に使う係数です。終価係数と同じように年利率と運用期間を決めて係数表を見ると、計算に用いる数値がわかります。
計算式は以下の通りです。
目標額 × 現価係数 = 必要額
気づいた方もいるかもしれませんが、現価係数は終価係数の逆を求める係数です。図を見てみましょう。
終価係数
現価係数
なので、一応現価係数を使わなくても必要額を求めることはできます。
終価係数の求め方が『元本×(1 + a)b=最終額』なので、
目標額 × (1/(1+a)b) = 必要額
と求められます。
つまり、現価係数は1/終価係数 となります。
具体的な現価係数
Aさんは5年後に車を買うことを決意しました。マツダCX-3です。
約260万円かかります。
終価係数の時と同じように年利率5%のeMAXIS Slim 米国株式を購入することを検討しましょう。
年利率と運用予定の年数が決まっているので現価係数が求められます。
今回もke!san(https://keisan.casio.jp/exec/system/1428900897)に力を借りましょう。
現価係数は0.784と出ました。
これを計算式に当てはめると、
2,600,000(目標額) × 0.784(現価係数) = 2,038,400円(現在の必要額)
このように、現在204万円を運用すれば5年後に目標額に到達するとわかりました。しかし、Aさんにこんな大金はありません。泣く泣くマツダCX-3を諦め、、、いや、Aさんは他の方法を見つけました。
(続く)
試験ではこう出る
現価係数は他の係数との違いを問われる問題が出題されます。〇〇係数はこういうもの、〇〇係数はこういう時に使うと明確にしておくことが大事です。「6つの係数」問題は過去44回の試験で32回出題される必須問題です。3択問題の初め(第31問)に出されることが多いです。
問題1
利率(年率)2%で複利運用しながら5年後に100万円を用意する場合、係数表を使って現在必要な元本の額を算出するには、100万円に利率2%・期間5年の( )を乗ずる。(2011年9月)
- 現価係数 2. 年金現価係数 3.年金終価係数
問題2
900万円を準備するために、15年間、毎年均等に積み立て、利率(年率)1%で複利運用する場合、必要となる毎年の積立金額は、下記の<資料>の係数を使用して算出すると( )である。
(2020年9月)
- 516,780円 2. 558,900円 3. 600,000円
答え
問題1 1. 現価係数
積み立てなしで、目標額から必要額を求める場合は現価係数を使います。
問題2 2. 558,900円
積み立てありで、目標額から必要額を求める場合は減債基金係数を使います。
900万 × 0.0621の計算の結果、2.が答えと分かります。
まとめ
現価係数は複利運用して目標額を達成するためにはいくら必要かを求める計算に使う。
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