年金現価係数とは
年金現価係数とは、現在積み立てている元本を運用しながら取り崩す場合、毎年目標金額を取り崩すためには初めに元本がいくら必要かを求める計算に使います。
計算式は以下の通りです。
取崩し目標額 × 年金現価係数 = 初めに必要な元本
年金現価係数は資本回収係数の逆に当たります。
年金現価係数は取崩す目標額を定めて必要な初期資金を求める係数であり、資本回収係数は今ある元本を定めて毎年取り崩せる金額を求める係数です。
図にすると以下の通りです。
年金現価係数
資本回収係数
また、名前は似ていますが現価係数とは似ているという訳ではありません。
ただ、現価係数も年金現価係数も初期資金を求めるという点は同じです。
「現価」は目的のために今いくら必要かという時に使うということだと思います。
現価係数
具体的な年金現価係数
Aさんは老後がちょっと心配です。公的年金の他にも月5万年必要だと考えました。65歳で退職して20年間取り崩すとすると65歳の時点でいくら必要でしょうか。今まで通り、年利率5%のeMAXIS Slim 米国株式で運用しましょう。
月5万円なので年間60万円です。また、年利率5%で20年間運用しているので、年金現価係数は12.46です。計算式に当てはめると、
60万(取崩額) × 12.46(年金現価係数) = 7,476,000円(初期資金)
となります。つまり、748万円あれば月5万円取り崩す生活が送れるようですね。Aさんは安心しました。
試験ではこう出る
年金現価係数も他の係数との違いを問われる問題が出題されます。現価係数、資本回収係数との違いに注意しましょう。「6つの係数」問題は過去44回の試験で32回出題される必須問題です。3択問題の初め(第31問)に出されることが多いです。
問題1
利率(年率)2%で複利運用しながら、毎年40万円を20年間にわたって受け取る場合に必要な原資は、下記の〈資料〉の係数を使用して算出すれば、( )となる。(2014年9月)
- 5,384,000円
- 6,540,560円
- 9,718,960円
問題2
利率(年率)2%で複利運用しながら10年間にわたって毎年500,000円ずつ積み立てた場合の10年後の元利合計額は、下記の〈資料〉を利用して計算すると、( )となる。(2013年1月)
- 4,491,300円
- 5,474,850円
- 6,095,000円
答え
問題1 2. 6,540,560円
元本の取り崩しの際に、目標額取り崩すために必要な資金を問われた場合は年金現価係数を使います。そのため、計算式は、 40万 × 16.3514 = 6,540,560 となるため、答えは 2. になります。
問題2 2. 5,474,850円
今回は定額積立なので、その時点で年金終価係数を選択しましょう。終価係数は積立をしませんし、年金現価係数は取り崩しの際の係数です。よって計算式は、50万 × 10.9497 = 5,474,850円 となるため、答えは 2. になります。
まとめ
年金現価係数は定額取り崩しの際に、毎年目標額取り崩すためには初期資金はいくら必要かの計算に使う。
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