財形住宅貯蓄とは
財形住宅貯蓄とは、住宅購入に必要な資金を貯める制度の一つです。
財形住宅貯蓄の包括概念に財形貯蓄というものがあります。まずは財形貯蓄について説明します。財形貯蓄は、社員が会社からの給与を受け取る際に一定額天引きしてもらいお金を貯める制度です。制度を使わずにお金を貯めるのに比べ、手元に入らない(課税対象にならない)ため、その分税金優遇が受けられるというメリットがあります。
そんな財形貯蓄、3つに分類することができます。老後の資金のための貯蓄を目的とした財形年金貯蓄。住宅建設改修資金を作ることを目的とした財形住宅貯蓄。そして、特に目的に制約のない一般財形貯蓄です。
今回はその中でも、財形住宅貯蓄の条件とメリットについて説明します。あらためてこの制度の目的を明確に書くと、「毎月積立貯蓄をして住宅の取得・増築・改修の資金を貯める」という風になります。条件は2つ。「5年以上積立てること」と「55歳未満であること」です。これらの条件を満たすことで得られるメリットは「貯蓄残高550万円までの利息が非課税になること」です。つまり、上で書いた通り貯蓄分に関しては課税対象になららないということです。
財形住宅貯蓄は目的を達成することで解約となります。ここでの目的とは住宅の取得・増築・改修を行なった時ですね。しかし、家を買うことが困難になるなど、目的以外の理由で財形住宅貯蓄を解約したい場合もあります。その場合は免除になっていた利息は5年分遡って課税されるので注意です。脱税対策ですね。より詳しい説明はこちらのホームページを参考にしてください。(労働者財産形成事業本部)
以上です。
今回は金額、年齢、年数など具体的な数値を覚える必要が出てきました。このまま、FP3級の勉強を続けるのであれば、財形住宅融資やフラット35などで他にも数値を覚えなければならない場合も出てくるので、出てきたタイミングでしっかり覚えていきましょう。
具体的な財形住宅貯蓄
Aさんは家を建てるという夢があります。概算で3000万円かかります。一般に住宅の購入には物件価格の2割の頭金、1割の諸費用の自己資産を見込んでおくのが望ましいとされています。(少し教科書的な想定です。大いに個人差はあります)そのため、家を建てる前に900万円必要ということです。
Aさんはまだ30代ということもあり、夢を少し長期的なスパンで考えて、財形住宅貯蓄を使って購入費用を貯蓄しようと思いました。
月に5万円貯蓄に回すとすると、9年とちょっとで非課税額の550万円貯まることになります。Aさんは1建築開始目標を10年後に設定し、毎月の貯蓄をしていくことにしました。残りの初期費用は別の方法で貯めていこうとしています。。
試験ではこう出る
財形住宅貯蓄の問題は実技試験の資産設計提案業務で出題されます。出題頻度はあまり高くありませんが、計算問題はなく、記述の正誤を問う問題なので、覚えていれば点が取れるところになります。
問題1
宏光さんは、自宅用マンションの購入に備え、財形住宅貯蓄を利用している。財形住宅貯蓄に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。(2017年9月)
- 貯蓄型の財形住宅貯蓄(銀行、証券会社などの財形住宅貯蓄)は、財形年金貯蓄と合わせて元利合計385万円まで非課税となる。
- 住宅取得のみでなく、一定の要件を満たせば住宅の増改築でも払出しができる。
- 勤労者財産形成促進法の勤労者で、契約申込み時の年齢が55歳未満であれば契約をすることができる。
問題2
大地さんは、老後に備え財形年金貯蓄制度を利用している。そこで財形年金貯蓄制度について理解を深めておこうと思い、FPの唐沢さんに質問をした。財形年金貯蓄制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 貯蓄型の財形年金貯蓄(銀行、証券会社などの財形年金貯蓄)は、財形住宅貯蓄と合わせて元本550万円までの利子等が非課税となる。
- 財形年金貯蓄制度は金融機関を通じて1人2契約まで契約することが可能である。
- 財形年金貯蓄制度の積立期間は5年以上必要である。
答え
問題1 1. 貯蓄型の財形住宅貯蓄(銀行、証券会社などの財形住宅貯蓄)は、財形年金貯蓄と合わせて元利合計385万円まで非課税となる。
財形住宅貯蓄は550万円まで非課税となっているため、1. は誤りです。
問題2
2. 財形年金貯蓄制度は金融機関を通じて1人2契約まで契約することが可能である。
財形年金貯蓄は一人1契約しかできません。ただし、財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄と種類が違っていればそれぞれ契約することができます。
まとめ
財形住宅貯蓄とは、住宅購入に必要な資金を貯める制度の一つ。
目的
毎月積立貯蓄をして住宅の取得・増築・改修の資金を貯める。
条件
5年以上積立てること
55歳未満であること
メリット
貯蓄残高550万円までの利息が非課税
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