キャッシュフロー表とは?
キャッシュフロー表とは、現在の収支・資産・将来設計をもとに、将来の収支資産状況を予想して1つの表にまとめたものです。
ファイナンシャルプランナーとは、そもそも顧客のライフプランを汲み取り、その人の求める資金計画を提案する仕事のことです。キャッシュフロー表はその根幹を担い、表でわかりやすく提示する役割があります。
細かい違いはありますが、試験では以下の形で出題されます。
表に出てくる用語を解説します。
- 収入/支出
1年間で稼いだお金と1年間で使ったお金のことです。
ここで気をつけることとして、収入は手取り(可処分所得)にする必要があります。
手取りは実際に手に入るお金のことで、
手取り = 年収 ー ( 所得税 + 住民税 + 社会保険料 )の金額になります。 - 収入合計/支出合計
収入、支出のそれぞれの合計です。 - 年間収支
年間収支 = 収入合計 ー 支出合計 で求めます。
収支がマイナスになる際は▲で表ます。 - 変動率
前年からその翌年にかけての増加率のことです。
これによって将来のお金の概算を出します。
上記の図で言うと、2021年の本人の給与収入は500万円で、変動率は1%となっています。なので、翌年の給与所得は
500万 × 1.01 = 505万 で505万円と予想を立てます。また、翌々年であれば、
500万 × 1.01 × 1.01= 510.05万 で510万円と予想されます。
大抵は千の位を四捨五入して〇〇万円となります。 - 金融資産残高
いわゆる残高、余剰資金のことです。
金融資産残高 = 前年の金融資産残高 × 変動率 + 今年の年間収支
で求まります。間違えやすいのは、
金融資産残高 = ( 前年の金融資産残高 + 今年の年間収支 ) × 変動率
です。変動率は前年からの増加率ということをわかっておけば、「今年」の年間収支にかけてはいけないことがわかると思います。
上記の例では、2022年の金融資産残高は、
800万 × 1.01 + 40万 = 848万円 となります。
試験ではこう出る
FP試験は学科試験と実技試験の2種類があり、それそれ午前午後に行います。学科試験では基本用語が覚えられているか、実技試験では3級レベルの応用ができるかということを確認します。実技試験には個人資産相談業務、保険顧客資産相談業務、資産設計提案業務の3つがあり、この中から任意の1試験を選択し受験することになります。
その中でもキャッシュフロー表は学科試験では出題されません。実技試験では資産設計提案業務でほとんど必ずで出題されますが、他の2試験でもほとんど出題されていません。
ただし出題範囲を考慮すると、資産設計提案業務の受験がいいと思うので、ここも落とせない問題となりそうです。
資産設計提案業務は広く浅く、他2つは狭く深いイメージ。専門性なく広いFP知識取得を考えるのであれば、学科試験と同じ出題範囲である資産設計提案業務の受験がおすすめです。資産設計提案業務は他と比べ、受験人数が多く、合格率も高い傾向にあります。
問題
下記は、Aさん宅のキャッシュフロー表であり、問題の都合により一部を空欄にしてある。( ア )、( イ )に当てはまる数値の組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、計算結果については少数第一位を四捨五入すること。
- ( ア )432 ( イ )970
- ( ア )433 ( イ )968
- ( ア )433 ( イ )960
答え
まず、アについて考えます。
2021年のAさんの手取りは400万円、変動率は2%、4年後手取りの予想が問われています。なので、計算式は以下の通り。
400 × 1.02 × 1.02 × 1.02 × 1.02 = 432.97… です。
小数点以下を四捨五入して、433が答えになります。
(ちなみにFP試験は電卓持ち込み可、また試験時間も十分あるので計算ミスの確認は何度もしましょう)
イでは、2024年の金融資産残高が問われています。金融資産残高の計算式に当てはめると、前年の金融資産残高・変動率・年間収支がわかっているので、
840 × 1.01 + 120 = 848.4 + 120 = 968.4 となります。
小数点以下を四捨五入して968が答えになります。
以上より正解は2. ( ア )433 ( イ )968 です。
まとめ
キャッシュフロー表とは、現在の収支・資産・将来設計をもとに、将来の収支資産状況を予想して1つの表にまとめたもの。
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