バランスシートって何?

1章

バランスシートとは?

バランスシートとは、資産と負債のバランスを見る表のことです。貸借対照表とも言うことがあります。キャッシュフロー表は具体的な将来予想をするために使われる表である一方、バランスシートは現在のみを切り取って状況を整理するのに使う表になります。

バランスシート

これがバランスシートです。他にも様々な形があります。

用語の解説をします。バランスシートは大きく3つのグループに分けることができます。

  • 資産
    自分で所有している価値のあるもののことです。
    現金だけではないことに注意です。
    預金、株式、保険、不動産などが資産になります。
    資産はバランスシートの左側に記入され、左下にその合計を記入します。
  • 負債
    借金などお金を渡すことが確定しているもののことです。
    家計では、ローンやクレジットカードの返済額が負債になります。
    負債はバランスシートの右上に記入します。
  • 純資産
    資産から負債を引いたものが純資産になります。
    会社でいう、実際の企業価値に当たる部分です。
    バランスシートの右下に記入します。

バランスシートには以下の等式が成り立ちます。

資産 = 負債 + 純資産

表をみると、左側 = 右側となっていることがわかります。この関係からバランスシートという名前がつきました。

具体的なバランスシート

Aさんは将来を考える上で、まず現状を把握しようと思い、バランスシートを作ることにしました。

まずは資産です。
Aさんには、普通預金、定期預金、財形年金貯蓄、外貨預金の蓄えがあります。また、株式を買っていて、満期ありの生命保険に加入しています。さらに、2年前にマンションの一室を購入していました。

基本的には、そのままバランスシートに記入していけばいいのですが、ポイントが2点あります。1つ目は、全て時価で記入することです。Aさんはマンションを3000万円で購入していましたが、減価償却を考慮して200万円マイナスしています。減価償却は時間が経つにつれて価値は減少していくという考え方です。2つ目は、保険は現時点での解約返戻金を記入することです。解約返戻金とは、保険を途中解約したときに戻ってくるお金のことです。基本的には、加入期間が長く支払額が多いほど、解約返戻金が多くなります。保険には解約返戻金のない掛け捨て型保険も一般的です。

次は負債です。
Aさんはマンションに関して、頭金・2年間のローン合わせて1,000万円払いました。ということであと2,000万円ローンが残っている状態です。負債は右上に記入します。

最後に純資産です。
純資産は、資産から負債を引いた額になるので今回は
6210 ー 2000 = 4210
で4,210万円となります。純資産は右下に記入します。

以上より下のバランスシートが出来ました。

バランスシート

バランスシートは現有資産についてはきちんと整理されますが、Aさんの収入や去年からの資産増減がわかりません。そこだけ注意しましょう。

試験ではこう出る

バランスシートの問題もキャッシュフロー表と同様、学科試験では出題されず、実技試験で出題されます。その中でも特に”資産設計提案業務”で出題されやすいこともキャッシュフロー表と同じです。

バランスシートの問題は長問の1つとして出題されます。
「〇〇家の状態は以下の通りです。次の3問に答えなさい。」のような形のうちの1つです。
情報量が多く一見複雑ですが、今回学んだこと以上のものは出ないので、落ち着いて情報を整理していきましょう。

問題

(設例)大津翔平さんは株式会社WKに勤める会社員である。2020年11月に第一子が生まれたこともあり、今後の生活設計についてFPで税理士でもある成田さんに相談をした。なお、下記のデータはいずれも2022年1月1日現在のものである。

[保有財産(時価)] 
金融資産
 普通預金        200
 定期預金        250
 財形住宅貯蓄      280
生命保険(解約返戻金相当額) 30

[負債残高]
なし
[マイホーム:資金計画]
翔平さんは、2,300万円のマンションの購入を検討しており、民間金融機関で1,800万円の住宅ローンを組む予定である。マンション購入の頭金は500万円とし、その内訳は、財形住宅貯蓄280万円、定期預金250万円のうち120万円、親から受ける贈与100万円である。

[その他]
上記以外については、各設問において特に指定のない限り一切考慮しないこととする。


FPの成田さんは、資金計画のとおりマンションを購入した後の大津家のバランスシートを試算してみた。下表の空欄(ア)にあてはまる金額として、正しいものはどれか。なお、<設例>に記載のあるデータに基づいて解答することとする。(2019年1月一部削除)

16.gif/image-size:560×185
  1. 830(万円)
  2. 860(万円)
  3. 980(万円)
答え

純資産を問われる問題です。純資産は資産から負債を引いた額なので、それぞれの合計を求めていきましょう。

まず資産です。3つの金融資産・生命保険に関しては、設例に保有資産が載っています。しかし、一部をマンション購入の頭金として使うそうです。なので、財形住宅貯蓄から280万円、定期預金から120万円引いて、バランスシートに記入します。上から200、130、0、30となります。2,300万円のマンションなので、不動産(自宅マンション)は2,300と記入しておきましょう。購入直後の想定なので減価滅却はありません。以上より資産合計は2,660となります。

次に負債です。頭金以外の1,800万円分は住宅ローンを利用するそうなので、負債の住宅ローンには1,800と記入します。負債合計も1,800です。

以上より純資産は 2,660 ー 1,800 なので、860となりました。
よって答えは、2. 860(万円)となります。

まとめ

バランスシートは、資産と負債のバランスを見る表のこと。
資産 = 負債 + 純資産 が成り立つ。

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