FPの倫理とは
FP(ファイナンシャル・プランナー)は顧客のライフプランを汲み取ってそのライフプランに沿った資金計画を考える仕事です。仕事を行う上で、顧客の収入や資産などの個人情報を得る必要があります。そのため、FPには高い職業倫理が求められます。
FPが守るべき倫理は主に4つ。「顧客利益の優先」、「守秘義務の厳守」、「アカウンタビリティ」、「インフォームド・コンセプト」です。以下で1つ1つ解説していきます。
顧客利益の優先
言葉通りなので、この見出しを覚えておけば大丈夫です。顧客の利益を最優先し、第三者の利益やFP自身の利益を優先してはいけません。しかし、顧客利益の優先行為でも他の関連業務の領域を侵してはならないという決まりもあります。詳しくは「FPのできないことって何?」という記事で解説します。
守秘義務の厳守
これも言葉通りです。顧客の個人情報を勝手に第三者に渡してはいけないという決まりです。法的判断や税務問題で弁護士や税理士の力が必要になる場合もありますが、その場合は顧客の許可を取ってからということになります。(この場合、FPが弁護士、税理士に依頼するというよりは、FPが顧客に対し弁護士、税理士を紹介する形が一般的です。)
アカウンタビリティ
アカウンタビリティとは説明義務のことです。提案するライフプランの内容や意図を十分に説明しなければならないという決まりがあります。複数の選択肢がある場合はそれぞれのメリット・デメリットを説明し、その提案をするに至った理由も説明しなければなりません。
インフォームド・コンセプト
インフォームド・コンセプトとは顧客の同意のことです。FPのした説明が顧客に伝わっているか、顧客が理解しているかを確認しなければなりません。
試験ではこう出る
FP3級は学科試験・実技試験の2つの試験の合否で資格取得か否かが決まります。午前中に学科試験を受けて、午後に実技試験を受験します。実技試験は個人・保険・資産の中から1つ選ぶことができます。この範囲は過去15年(43回)の学科試験で5回の出題があります。あまり多い訳ではありませんが、FPの基礎中の基礎ということで全ての問題で正答率は90%を超えています。落としてはいけない問題だと言えそうです。
問題1
ファイナンシャル・プランナーには高い職業倫理が求められるが、作成したプランを顧客に対して説明する際に、参考程度であれば、他の顧客の個人情報を含む資産内容を記載した資料を提示することができる。(2008年5月)
問題2
ファイナンシャル・プランニングにおいては、職業倫理上、その提案内容等をあらかじめ顧客に十分に説明し、顧客がその内容を理解したかどうかを確認しながら進めることが求められている。
(2019年1月)
答え
問題1は✖️。
守秘義務の厳守に反します。
問題2は○。
この問題はアカウンタビリティ、インフォームド・コンセプトを説明しています。
まとめ
FPの倫理は主に4つです。
- 顧客利益の優先(例外あり)
- 守秘義務の厳守
- アカウンタビリティ
- インフォームド・コンセプト
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