終価係数とは
終価係数は今の元本を複利運用すると最終的にいくらになるかを求める計算に使う係数です。
終価係数やそれ以外の係数には、係数表というものがあります。係数表は年利率と運用期間を決めることで一意の値が決まり、それが計算に用いる係数となります。
係数表は以下の表です。
計算式は以下の通りです。
元本 × 終価係数 = 最終的な元利
とはいえ、実は終価係数を使わずとも、最終的な元利を求めることはできます。
元本 × (1 + a)b = 最終的な元利
です。aには年利率、bには複利運用年数を代入します。つまり、(1 + a)bというゴチャゴチャしているところを終価係数と名付けシンプルにしているということです。
ちなみに、試験とは関係はないですが、年利率とは過去の指標を基に立てられた予想の上昇率のことで、「この金融商品は大体 a %ずつ価値が上昇しているな」という予想にすぎません。そのため、必ずしも計算通りの結果になる訳ではないことは気をつけてください。
具体的な終価係数
Aさんは50万円ボーナスが入り、50万円全額で年利率5%のeMAXIS Slim米国株式という投資信託を購入しました。
10年後、この50万円はいくらになったでしょうか。
今回はke!sanというWebアプリを使ってみます。(https://keisan.casio.jp)
年利率と運用年数を入力すると終価係数を教えてくれます。終価係数は1.629とでました。
その後、計算式に当てはめると、
500,000 × 1.629 = 814,500
このように終価係数を使うことで、50万円のボーナスは10年後に約81.5万円になるとわかりました。
試験にはこう出る
終価係数は他の係数との違いを理解できているか問われる問題が出されます。そのため、終価係数だけでなく他の係数も知った上で問題数をこなしていくと慣れていきます。係数の問題は難しいと感じるかもしれません。しかし慣れてくると間違えない問題なので、試験本番では必ず間違えないでいきましょう。
「6つの係数」問題は過去44回の試験で32回出題される必須問題です。3択問題の初め(第31問)に出されることが多いです。
問題1
元本100万円を、年利2%で10年間複利運用する場合の元利合計金額を求めるには、( )を使用するとよい。(2008年9月)
- 年金終価係数 2. 終価係数 3. 減債基金係数
問題2
元金3,000万円を利率(年率)1%で複利運用しながら、15年間にわたって毎年均等に取り崩して受け取る場合、毎年の受取金額は( )である。なお、計算にあたっては下記<資料>の係数を使用して算出するものとする。(2019年9月)
- 1,863,000円 2. 2,163,000円 3. 2,322,000円
答え
問題1 2. 終価係数
先に解説したように元本を積立せずに複利運用する場合は終価係数を使います。
問題2 2. 2,163,000円
今回は問題文を見て「終価係数じゃないな」と思ってくれればOKです。今回は資本回収係数を使って
3,000万 × 0.0721 = 2,163,000 と計算するのが正解です。資本回収係数については後ほど解説します。
まとめ
終価係数は今の元本を複利運用するといくらになるかを求める計算に使う。
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